シャワーだけで済ますと髪が抜ける?深部体温を上げて血流を戻す入浴の鉄則

日々の忙しさから、入浴をシャワーだけで済ませていませんか。実はその習慣が知らず知らずのうちに頭皮の血流を停滞させ、薄毛や抜け毛の原因を作っている可能性があります。
髪の成長には血液が運ぶ酸素と栄養が必要です。そのためには体の芯から温まる「深部体温」の上昇がカギを握ります。
シャワーだけでは髪に十分な栄養が届かない理由を解明し、健康な髪を育むための正しい入浴法を具体的に解説します。今日から実践できる入浴の鉄則を取り入れ、豊かで美しい髪を取り戻しましょう。
なぜシャワー浴だけだと女性の薄毛が進行しやすいのか
シャワーだけで入浴を済ませる習慣が続くと、慢性的な血行不良を招きやすくなります。頭皮へ十分な栄養が行き渡らなくなるため、結果として薄毛の進行リスクを高めます。
湯船に浸からないことで深部体温が上がりにくく、自律神経のバランスも整いにくいからです。髪の成長に必要な土台が揺らいでしまうのです。
頭皮の血行不良が招く栄養不足の悪循環
髪の毛は、毛根にある毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで成長します。この活動を支えるエネルギー源となるのが、血液によって運ばれてくる酸素と栄養素です。
しかし、シャワー浴だけでは体の表面しか温まらず、体の深部にある血管まで十分に拡張しません。その結果、全身の血流が滞りやすくなり、心臓から遠い位置にある頭皮への血流も減少してしまいます。
血流が低下すると、どれだけバランスの良い食事を摂っていても、あるいは高価な育毛剤を使用していても、その有効成分が毛根まで届きません。栄養不足に陥った毛母細胞は活動を弱め、髪が細くなったり、抜けやすくなったりします。
この栄養不足の状態が長く続くことで、薄毛の症状が徐々に進行していくのです。髪の健康を守るためには、まず血液という「運搬ルート」を確保することが重要です。
シャワー浴と全身浴の比較による頭皮への影響
| 比較項目 | シャワー浴のみ | 全身浴(湯船) |
|---|---|---|
| 体温上昇 | 表面のみ温まり、すぐに冷める | 深部まで温まり、保温が続く |
| 血流の状態 | 末端まで届きにくい | 全身を巡り頭皮まで届く |
| 自律神経 | 交感神経が優位になりやすい | 副交感神経が優位になる |
| 毛穴の状態 | 開きにくく汚れが残りやすい | 自然に開き汚れが落ちやすい |
| 疲労回復 | 限定的 | 水圧と浮力で回復効果が高い |
自律神経の乱れとホルモンバランスへの影響
現代の女性は仕事や家事、育児などで常にストレスにさらされています。このストレス状態は交感神経を優位にし、血管を収縮させる作用があります。
一日の終わりに湯船にゆっくり浸かることは、副交感神経への切り替えをスムーズにします。心身をリラックスさせる効果が高いからです。
しかし、シャワーだけで手早く済ませてしまうと、交感神経が優位な状態が続き、緊張状態が解けません。自律神経の乱れは、女性ホルモンのバランスにも悪影響を及ぼします。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、髪の成長期を持続させ、健康な髪を保つ働きを持っています。自律神経が乱れてホルモンバランスが崩れると、このエストロゲンの恩恵を受けにくくなり、抜け毛が増える原因となります。
毛穴の汚れが落ちきらず頭皮環境が悪化するリスク
湯船に浸かることには、温熱作用によって毛穴を開かせる効果があります。毛穴が開くことで、詰まった皮脂や古い角質、整髪料の汚れなどが浮き上がりやすくなり、その後のシャンプーで汚れを落としやすくなります。
一方、シャワー浴だけでは頭皮が十分に温まらず、毛穴が閉じたままの状態になりがちです。この状態でシャンプーをしても、毛穴の奥の汚れまで完全に取り除くことは困難です。
毛穴に残った汚れは酸化して過酸化脂質となり、頭皮に炎症を引き起こしたり、毛根にダメージを与えたりします。清潔な頭皮環境を維持するためにも、湯船に浸かって毛穴を開く工程が必要です。
深部体温と髪の成長をつなぐ重要な関係
深部体温を適切に上げることは、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌や、質の高い睡眠への導入を助けるため、育毛において極めて重要な役割を果たします。
単に体を温めるだけでなく、体温のリズムを整えることが健康な髪を育てる土壌を作ります。
体の芯から温まることで巡る血液と酸素
「深部体温」とは、脳や内臓など、体の中心部分の温度のことを指します。この深部体温が上がると、体は熱を放出しようとして皮膚表面の血管を拡張させます。
この反応によって、滞っていた血流が一気に改善し、全身の細胞に酸素と栄養が行き渡るようになります。頭皮には細い血管が張り巡らされていますが、深部体温の上昇に伴う血流増加の恩恵を強く受けます。
特に酸素は細胞の代謝活動に必要です。十分な酸素が供給されることで毛母細胞は活発に分裂し、太く丈夫な髪を作り出します。シャワーだけでは到達できない「芯からの温まり」こそが、頭皮という末端組織の生命力を呼び覚ますのです。
入浴中に分泌される成長ホルモンの働き
入浴による体温上昇は、体内での様々な生化学反応を促進します。その一つが成長ホルモンの分泌に関わる反応です。
成長ホルモンは、その名の通り体の組織を成長させたり、修復したりする働きがあり、髪の毛の生成にも深く関与しています。適度な温熱刺激は体を適度な疲労状態にし、その後の回復過程で成長ホルモンの分泌を促します。
深部体温上昇がもたらす育毛メリット
- 血管が拡張し、頭皮の毛細血管まで血液がスムーズに流れる
- 細胞の代謝が活発になり、毛髪生成のエネルギー効率が上がる
- ヒートショックプロテインが増加し、頭皮細胞の修復を助ける
- 入眠時の体温低下を助け、質の高い睡眠へ誘導する
- リラックス効果によりストレスホルモンが減少し、血管収縮を防ぐ
また、ヒートショックプロテイン(HSP)という傷んだ細胞を修復するタンパク質も、入浴による体温上昇によって増加することが知られています。
これらの体内物質が、紫外線や乾燥などでダメージを受けた頭皮や髪を内側からケアしてくれるのです。
睡眠の質を左右する体温変化のタイミング
良質な睡眠は「天然の美容液」とも呼ばれ、髪の成長にとって非常に大切です。人は深部体温が下がっていく過程で強い眠気を感じ、深い眠りに入ることができます。
入浴によって一時的に深部体温を上げておくと、お風呂上がりから就寝までの間に体温が急激に下がるため、スムーズな入眠と深い睡眠が得やすくなります。
逆に、シャワーだけで済ませて深部体温が上がっていないと、この体温低下の落差が生まれず、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりします。
睡眠中に分泌される成長ホルモンの恩恵を最大化するためにも、入浴で体温のリズムを作ることが戦略的な育毛ケアとなります。
髪に栄養を届ける血流改善のための入浴温度と時間
髪の成長に最適な血流を生み出すには、38度から40度のぬるめのお湯に、15分から20分程度浸かることが最も効果的です。熱すぎるお湯や長すぎる入浴は逆効果になるため、体への負担を抑えつつ効率よく温まるバランスが必要です。
熱すぎるお湯が頭皮の乾燥とダメージを招く理由
寒い日などはつい熱いお湯(42度以上)に入りたくなりますが、育毛の観点からは避けるべきです。高温のお湯は、頭皮に必要な皮脂まで過剰に洗い流してしまいます。
皮脂は頭皮のバリア機能を担っており、これが失われると頭皮が乾燥し、フケやかゆみ、炎症の原因となります。乾燥した頭皮は硬くなりやすく、血行も悪化します。
また、熱いお湯は交感神経を刺激してしまいます。リラックスするどころか体が戦闘モードになってしまい、血管が収縮して血圧が上昇します。
これでは血流改善の目的を果たせません。頭皮の保湿を守り、リラックス状態を作るためには、お湯の温度管理が重要です。
副交感神経を優位にするぬるめのお湯の効能
38度から40度程度の「ぬるま湯」は、副交感神経を優位にする最適な温度帯です。この温度帯で入浴すると、心拍数は上がらずに血管が緩やかに拡張し、末梢まで血液が巡りやすくなります。
精神的な緊張もほぐれ、ストレスから解放される感覚を得られます。副交感神経が優位になると、胃腸の働きも良くなり、食べた食事からの栄養吸収もスムーズになります。
温度と入浴時間の組み合わせ効果一覧
| 温度帯 | 推奨時間 | 頭皮と体への主な影響 |
|---|---|---|
| 42度以上(熱め) | 5分以内 | 交感神経を刺激。皮脂を取りすぎ乾燥を招く。覚醒作用がある。 |
| 38〜40度(ぬるめ) | 15〜20分 | 副交感神経を優位に。血管拡張と深部体温上昇に最適。 |
| 37度以下(不感温) | 30分以上 | 体温に近くエネルギー消費が少ない。リラックス効果は高いが温まりにくい。 |
吸収された栄養が血流に乗って頭皮に届くという好循環が生まれます。じんわりと汗ばむ程度の温度が、体にも髪にも優しいのです。
負担をかけずに芯まで温まる入浴時間の目安
深部体温を上げるにはある程度の時間が必要ですが、長すぎてもいけません。目安としては、全身浴で15分前後、半身浴なら20分から30分程度が適切です。
この時間内であれば、心臓への負担を最小限に抑えつつ、血液が体全体を数回巡り、芯まで温まることができます。
長風呂をしすぎると、肌の保湿成分(セラミドなど)がお湯に溶け出して乾燥肌の原因になったり、のぼせてしまったりするリスクがあります。額にうっすらと汗をかいたら、体が十分に温まったサインです。
無理をせず、心地よいと感じる時間で切り上げることが、毎日の習慣として続ける秘訣です。
血流をさらに促進する入浴中の頭皮マッサージ
湯船に浸かって体が温まっているタイミングでの頭皮マッサージは、血流促進効果を倍増させ、頭皮の柔軟性を取り戻す絶好のチャンスです。力任せに行うのではなく、頭皮を動かす意識で優しく行うことがポイントです。
湯船に浸かりながら行うマッサージの相乗効果
入浴中は、温熱効果ですでに血管が拡張し始めています。この状態で物理的なマッサージを加えることで、ポンプのように血液を送り出す力が強まり、血流がさらに加速します。
また、湿気によって頭皮が柔らかくなっているため、マッサージの圧が深部まで届きやすくなっています。お風呂の外でマッサージをするよりも、筋肉の緊張が解けている入浴中に行う方が、頭皮のコリを効率よくほぐすことができます。
リラックスした空間で行うことで、マッサージ自体が心地よい癒しの時間となり、ストレス解消にもつながります。
頭頂部と側頭部をほぐしてリフトアップも狙う
薄毛が気になりやすい頭頂部は、筋肉がなく帽状腱膜という膜で覆われています。ここは自力で動くことができないため、意識的に動かしてあげないと血流が滞り、硬くなりやすい場所です。
両手で頭を包み込むようにし、頭皮を中央に寄せるイメージで動かします。また、側頭部(耳の上あたり)は、目の疲れや歯の食いしばりの影響を受けやすく、ここが凝ると頭頂部への血流も阻害されます。
効果的な頭皮マッサージの手順とポイント
- 準備:湯船に5分ほど浸かり、体が温まってから開始する
- 側頭部:耳の上に手のひらの付け根を当て、円を描くように後ろへ引き上げる
- 後頭部:首の付け根のくぼみ周辺を、親指でゆっくりと押してほぐす
- 頭頂部:指全体を広げて置き、頭皮を中心に向かって寄せたり離したりする
- 仕上げ:指先で頭全体を軽くトントンと叩き、刺激を与える
側頭筋をほぐすことは、顔のたるみを引き上げるリフトアップ効果も期待できます。耳周りから頭頂部に向かって、引き上げるようにマッサージしましょう。
力を入れすぎず指の腹を使う正しい圧のかけ方
マッサージで大切なのは、「こする」のではなく「動かす」ことです。髪の上から頭皮をこすると、摩擦でキューティクルが剥がれ、切れ毛や抜け毛の原因になります。
指の腹を頭皮にしっかりと密着させ、その位置をずらさないようにしながら、頭蓋骨から頭皮を剥がすようなイメージでゆっくりと回します。爪を立てるのは厳禁です。頭皮を傷つける恐れがあります。
気持ちいいと感じる程度の強さ(痛気持ちいい手前)で十分です。呼吸を止めず、深く息を吐きながら圧をかけると、よりリラックス効果が高まります。
入浴剤を活用して温浴効果とリラックスを高める
さら湯(水道水を沸かしただけのお湯)よりも、入浴剤を活用することで温浴効果を高め、頭皮への血流改善を強力にサポートすることができます。成分や香りを選ぶことで、育毛ケアの質を一段階上げることが可能です。
炭酸ガス系入浴剤が血管拡張をサポートする
血流改善を第一に考えるなら、炭酸ガス系の入浴剤を選びます。お湯に溶けた炭酸ガスは、皮膚から吸収されて血管内に入り込みます。
すると体は「酸素不足だ」と勘違いし、より多くの酸素を取り込もうとして血管を広げます。この作用により、ぬるめのお湯でも血流が数倍良くなると言われています。
炭酸ガスの効果は、泡が消えてもお湯の中に溶け込んでいるため、2時間程度は持続します。じっくりと浸かることで、頭皮の隅々まで血液が行き渡るのを助けてくれます。ドラッグストアなどで手軽に購入できるのも魅力です。
ミネラル成分が頭皮の保温効果を持続させる
バスソルトや無機塩類を含む入浴剤は、皮膚の表面にミネラルのベール(塩類皮膜)を作ります。このベールが体からの放熱を防ぎ、お風呂上がりもポカポカとした状態を長く保ってくれます。これを「保温効果」と呼びます。
入浴後の急激な湯冷めを防ぐことは、頭皮の血流維持にも役立ちます。また、一部のミネラル成分には、水道水の塩素を除去し、お湯をまろやかにする効果もあります。
塩素による頭皮への刺激を減らすことにもつながり、敏感肌の方にもおすすめです。
主な入浴剤の種類と育毛への期待効果
| 入浴剤の種類 | 主な成分 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 炭酸ガス系 | 炭酸ナトリウム、コハク酸など | 血管拡張作用による強力な血行促進。疲労回復。 |
| 無機塩類系(バスソルト等) | 硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム | 高い保温効果で湯冷め防止。発汗作用によるデトックス。 |
| 薬用植物系(生薬) | センキュウ、トウキ、チンピなど | 生薬特有の血行促進や保湿作用。独特の香りでリラックス。 |
| スキンケア系 | セラミド、ホホバオイルなど | 頭皮や肌の保湿。乾燥によるフケやかゆみの予防。 |
香りのリラックス効果でストレス性抜け毛を防ぐ
嗅覚からの刺激は脳の感情や本能を司る部分にダイレクトに届きます。自分の好きな香りの入浴剤を使うことで、脳が心地よさを感じ、瞬時にリラックスモードへと切り替わります。
ストレスは血管を収縮させる大敵ですから、香りの力でストレスを緩和することは、間接的に育毛ケアになります。ラベンダーやヒノキ、柑橘系など、その日の気分に合わせて香りを選んでみましょう。
深い呼吸を意識しながら入浴することで自律神経が整い、髪が育ちやすい体内環境が作られます。
お風呂上がりのケアが抜け毛予防の明暗を分ける
入浴でどれだけ血流を良くしても、お風呂上がりのヘアケアが間違っていれば髪にダメージを与え、抜け毛を増やしてしまいます。濡れた髪は無防備な状態であることを理解し、迅速かつ丁寧なケアを行うことが大切です。
タオルドライで摩擦を防ぐ優しい水気の取り方
お風呂から上がったら、まずはタオルドライで水分をしっかりと取ります。この時、ガシガシと激しくタオルで髪をこするのは厳禁です。
濡れた髪はキューティクルが開いており、少しの摩擦でも剥がれ落ちてしまいます。正しい方法はタオルで髪を挟み込み、優しくポンポンと叩くようにして水分を吸い取ることです。
頭皮の水分もマッサージするように指の腹を使ってタオル越しに拭き取ります。吸水性の高いマイクロファイバータオルなどを使うと、摩擦を減らしながら短時間で水分を除去できるため便利です。
自然乾燥は雑菌繁殖のもとになるので避ける
「ドライヤーの熱が髪に悪い」と思い込み、自然乾燥させている方がいますが、これは大きな間違いです。頭皮が湿った状態が長く続くと、常在菌であるマラセチア菌などが異常繁殖しやすくなります。
これが臭いや炎症、フケの原因となり、抜け毛を誘発します。また、濡れた髪は温度が奪われやすく、気化熱によって頭皮が急激に冷えてしまいます。
せっかく入浴で上げた血流が悪くなってしまうのです。お風呂上がりは可能な限り早く、ドライヤーを使って乾かすことが、頭皮環境を守る鉄則です。
お風呂上がりのNGケアとOKケア比較
| ケア項目 | NGケア(抜け毛リスク増) | OKケア(髪を守る) |
|---|---|---|
| タオルの使い方 | ゴシゴシと激しくこする | 優しく押さえて吸水する |
| 乾燥のタイミング | しばらく放置(自然乾燥) | 直ちにドライヤーで乾かす |
| ドライヤーの距離 | 近づけすぎて高温を当てる | 20cm以上離して風を送る |
| 仕上げ方 | 温風のまま終了する | 冷風でキューティクルを締める |
| 頭皮の状態 | 生乾きで寝てしまう | 頭皮までしっかり乾かす |
ドライヤーの温風と冷風を使い分けるテクニック
ドライヤーを使う際は、熱によるダメージを防ぐため、髪から20センチ程度離して風を当てます。まずは根元を中心に温風を当て、頭皮を乾かすイメージで行います。
根元が乾けば、髪の毛先は予熱でかなり乾きます。8割程度乾いたら、最後に必ず「冷風」に切り替えます。
冷風を当てることで、開いていたキューティクルが引き締まり、髪にツヤが出ます。また、頭皮の余熱を取ることで、乾かしすぎによる乾燥を防ぎ、セットした髪型をキープする効果もあります。
このひと手間が、髪の仕上がりを大きく変えます。
忙しい日でも実践できる時短入浴テクニック
毎日ゆっくり湯船に浸かるのが理想ですが、どうしても時間が取れない日もあります。そんな日でも、工夫次第でシャワーだけより格段に温まり、血流を維持する方法があります。0か100かで考えず、できる範囲で継続することが重要です。
足湯や半身浴を取り入れて効率的に体を温める
全身浴をする時間がない場合でも、桶にお湯を張って「足湯」をするだけで効果が違います。足先には太い血管が通っており、ここを温めることで温かい血液が全身を巡ります。
髪を洗っている間や、トリートメントを馴染ませている間に足湯を行うだけでも、全身のポカポカ感が増します。また、お湯の量を少なめにした半身浴なら、お湯が溜まるまでの時間を短縮できます。
みぞおちまで浸かるだけでも、下半身の血液が心臓に戻りやすくなり、水圧によるむくみ解消効果も期待できます。上半身が寒い場合は、かけ湯をしたりタオルを肩にかけたりして調整しましょう。
シャワーの水圧を利用して頭皮を刺激する方法
どうしてもシャワーだけで済ませる日は、シャワーの水圧をマッサージ代わりに利用します。少し熱めのお湯とぬるめのお湯を交互に頭皮に当てる「温冷交代浴」のような使い方も、血管の収縮と拡張を促します。
この刺激によって、血行を良くする効果が期待できます。また、シャワーヘッドを頭皮に近づけ、強めの水圧をリズミカルに当てることで、打たせ湯のような刺激を与えることができます。
特に、首筋や耳の後ろなどのリンパ節が集まる部分を温めると、頭部への血流がスムーズになります。
時短でも効果を出す入浴の工夫
| テクニック名 | 方法 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| ながら足湯 | 洗髪中に洗面器で足を温める | 足先から全身の血流をサポートする |
| 3点温めシャワー | 首裏、仙骨、足首を集中的に狙う | 効率よく体を温めるツボを刺激 |
| 温冷シャワー | 温水と冷水(ぬるま湯)を交互に | 血管のポンプ作用を強制的に促す |
| 高機能入浴剤 | 重炭酸などの強力な入浴剤を使用 | 短時間でも温浴効果を高める |
週末だけのリセット入浴でも効果は期待できる
平日は忙しくてシャワーのみになってしまっても、週末だけは時間を取ってゆっくり湯船に浸かる「リセット入浴」を行いましょう。一週間の疲れを取り、凝り固まった体をほぐすことで、自律神経のバランスを整え直すことができます。
「毎日やらなければ意味がない」と諦めてしまうのが一番良くありません。週に1回でも2回でも、深部体温をしっかり上げる日を作ることで、頭皮環境の悪化を食い止めることができます。
週末の入浴を、自分へのご褒美タイムとして習慣化しましょう。
Q&A
- 朝風呂と夜風呂どちらが髪に良いですか?
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髪の成長と修復のためには、断然「夜風呂」をおすすめします。髪の成長ホルモンは入眠後の深い眠りの時に多く分泌されます。
夜に入浴して深部体温を上げ、その後の体温低下とともに良質な睡眠に入ることが、成長ホルモンの効果を最大化します。また、一日の汚れや皮脂を寝る前に落とし、清潔な頭皮環境で就寝することも重要です。
朝風呂は交感神経を刺激して目覚めを良くする効果はありますが、頭皮の皮脂を取りすぎてしまい、日中の紫外線ダメージを受けやすくなるリスクがあります。
- 半身浴と全身浴ではどちらが育毛に効果的ですか?
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どちらも効果的ですが、目的によって使い分けると良いでしょう。短時間で肩までしっかり温まりたい、肩こりも解消したい場合は「全身浴」が向いています。
水圧によるマッサージ効果も全身浴の方が高いです。一方、心臓への負担を減らして長時間ゆっくり温まりたい、リラックスしてストレスを解消したい場合は「半身浴」が適しています。
大切なのは、どちらの方法であれ「深部体温が上がるまで浸かること」です。ご自身の体調や好みに合わせて、心地よい方を選んでください。
- 長風呂をしすぎると逆に髪に悪い影響はありますか?
-
はい、長風呂のしすぎには注意が必要です。長時間お湯に浸かり続けると、頭皮や肌の保湿成分であるセラミドなどが流出し、乾燥の原因になることがあります。
乾燥した頭皮はバリア機能が低下し、フケやかゆみ、抜け毛につながります。また、のぼせてしまうと体力も消耗します。
汗がだらだらと流れるほど我慢するのではなく、額にうっすら汗をかく程度、または15分から20分を目安に切り上げるのが、髪と頭皮にとっても最適なバランスです。
- 生理中の入浴で気をつけるべきことはありますか?
-
生理中は貧血になりやすく、体調もデリケートな時期ですので、無理な長風呂や高温浴は避けましょう。
しかし、生理中は血行が悪くなりやすく、体も冷えがちですので、清潔なお湯で適度に体を温めることはプラスになります。ぬるめのお湯に短時間浸かるか、体調が優れない場合は無理せず足湯にするのも良い方法です。
衛生面が気になる場合はシャワーのみでも構いませんが、足元を冷やさないように工夫し、体を冷やさないよう早めに乾かすことを意識してください。
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