ヘアサイクルの期間と構造|成長期・退行期・休止期の正常なタイムライン

鏡を見るたびに感じるボリュームの低下や、枕元に落ちている抜け毛の数に不安を覚えることはありませんか。それは決してあなただけの悩みではありません。
私たちの髪は、植物が芽吹き、成長し、やがて枯れ落ちるように、一定の周期で生まれ変わりを繰り返しています。このリズムが乱れることこそが、薄毛の根本的な原因となっていることが多いのです。
本記事では、髪の一生とも言える「ヘアサイクル」の正常な期間と構造を詳しく紐解き、現在のご自身の状態が正常な範囲内なのかを判断するための基準を提供します。
正しい知識を持つことは、適切な対策への第一歩です。漠然とした不安を解消し、健やかな髪を育むための指針としてお役立てください。
ヘアサイクルの全体像と基本的構造
ヘアサイクルとは、髪が生えてから抜け落ちるまでの周期的な営みのことであり、このリズムが整っていることが太く強い髪を維持するために重要です。
私たちの頭髪は、一度生えたら永遠に伸び続けるわけではありません。ある一定の期間成長を続けた後、自然に成長が止まり、抜け落ちます。
そして、また同じ毛穴から新しい髪が生えてくるというサイクルを繰り返しています。この一連の流れを「毛周期(ヘアサイクル)」と呼びます。
健康な頭皮環境であっても、このサイクルは絶えず繰り返されています。ヘアサイクルが正常に機能している限り、髪の総量は一定に保たれる仕組みになっているのです。
3つの主要なフェーズ
ヘアサイクルは大きく分けて「成長期」「退行期」「休止期」という3つの段階で構成されています。それぞれの段階には明確な役割があり、髪を作る工場である毛包の活動状態が異なります。
この3つのフェーズがバランスよく巡ることで、髪の密度と質が維持されます。薄毛や抜け毛が気になり始めたとき、多くのケースでこのサイクルのバランスが崩れています。
特定のフェーズが極端に短くなったり長くなったりしていることが原因であることが多いため、まずは正常な状態を知ることが大切です。
正常なヘアサイクルの各段階とその役割
| 段階(フェーズ) | 期間の目安 | 主な状態と役割 |
|---|---|---|
| 成長期(アナゲン) | 2年から6年 | 毛母細胞が活発に分裂し、髪が太く長く育つ時期。全体の約85%から90%を占める。 |
| 退行期(カタゲン) | 2週間から3週間 | 細胞分裂が急激に低下し、毛根が縮小を始める移行期間。全体の約1%程度。 |
| 休止期(テロゲン) | 3ヶ月から4ヶ月 | 成長が完全に止まり、古い髪が抜けるのを待つ時期。次の新しい髪の準備期間。 |
一生におけるサイクルの回数
ヘアサイクルは無限に繰り返されるわけではありません。一般的に、ひとつの毛穴が生涯で繰り返すヘアサイクルの回数は、約15回から40回程度と言われています。
これを年数に換算すると、成長期が正常であれば人間の一生を十分にカバーできる計算になります。しかし、何らかの原因でヘアサイクルが短期化してしまうと状況は変わります。
生涯のサイクル回数を早期に使い果たしてしまうリスクが生じるのです。だからこそ、1回1回のサイクルを正常な期間保つことが、長く髪を維持するために大切です。
毛包の深さと活動レベル
髪の成長段階によって、皮膚内部での「毛包」の深さも変化します。成長期には毛包は皮下組織の深い部分まで達し、毛細血管から豊富な栄養を受け取ります。
一方、退行期から休止期にかけては毛包全体が浅い位置へと移動し、栄養供給ルートである毛乳頭との結合が弱まっていきます。
この物理的な構造変化が、髪の成長と脱落をコントロールしています。
成長期(アナゲン):髪の太さと寿命を決める最重要期間
成長期はヘアサイクルの中で最も長い期間を占め、この時期の長さと質が将来の髪のボリュームを決定づけます。
成長期は、髪が活発に作られ、太く長く伸びていく時期です。健康な成人男性の場合、頭髪全体の約85パーセントから90パーセントがこの成長期にあるとされています。
この期間がいかに長く維持できるかが、薄毛の進行を食い止めるための最大の鍵となります。
毛母細胞の活発な分裂
成長期の毛包の奥深くでは、ダイナミックな細胞活動が行われています。「毛乳頭」と呼ばれる司令塔が、周囲の毛細血管からアミノ酸やミネラルなどの栄養素と酸素を取り込みます。
そして、毛乳頭は「髪を作れ」というシグナルと共に、それらの栄養を「毛母細胞」へと受け渡します。
これを受け取った毛母細胞は爆発的な勢いで細胞分裂を繰り返し、次々と角質化して上に押し上げられていきます。これが、私たちが目にする「髪の毛」となります。
この分裂活動が活発であればあるほど、髪は太く、ハリのある状態に育ちます。
成長期における早期と後期の違い
| 区分 | 状態 | 特徴的な動き |
|---|---|---|
| 成長期早期 | 新生毛の発生 | 古い髪が抜け落ちた毛穴の奥で、新しい毛球が形成され始めます。産毛のような細く柔らかい髪が皮膚表面に向かって伸びていきます。 |
| 成長期中期〜後期 | 本格的な成長 | 毛包が皮膚の深くまで達し、太く硬い毛(硬毛)へと成長します。1日に約0.3ミリから0.4ミリずつ伸び続けます。 |
| 異常な成長期 | 早期終了 | 十分な太さになる前に成長が止まってしまう状態。AGAなどで見られ、細く短いまま抜け落ちる原因となります。 |
血液循環との密接な関係
成長期の維持には、頭皮の血流が極めて重要な役割を果たします。毛乳頭が栄養を受け取るための毛細血管は非常に細く、血流が悪くなると真っ先に栄養不足に陥りやすい場所です。
ストレスや冷え、喫煙などで血管が収縮すると、毛母細胞への栄養補給が滞り、成長期を維持できなくなってしまいます。結果として、髪が十分に育つ前に成長期が強制終了し、次の退行期へと移行してしまいます。
成長速度の個人差と限界
髪が伸びる速度には個人差がありますが、平均して1ヶ月に約1センチ、1年で約12センチ伸びます。
成長期が正常に2年から6年続けば、計算上はかなり長い髪になるはずです。しかし、男性の場合は女性に比べて成長期がやや短い傾向にあります。
また、遺伝的な要素やホルモンバランスによってもこの期間の限界値は変わってきます。重要なのは、自分自身の持っている最大限の成長期ポテンシャルを引き出し、維持することです。
退行期(カタゲン):成長停止への急速な移行
退行期は活発な細胞分裂が急速に停止し、毛包が縮小して髪が抜ける準備を始める短い移行期間です。
数年から数年続いた成長期が終わると、髪は突然「退行期」と呼ばれるフェーズに入ります。この期間は非常に短く、通常は2週間から3週間程度で完了します。
頭髪全体の中で退行期の髪が占める割合は1パーセント程度と非常に少ないため、私たちが日常的に退行期の髪を意識することはあまりありません。
しかし、見た目には分かりにくいものの、生物学的には劇的な変化が起きている時期です。
アポトーシス(細胞死)の発生
退行期へのスイッチが入ると、これまで活発に分裂していた毛母細胞の活動がピタリと止まります。そして、毛包の一部で「アポトーシス」と呼ばれるプログラムされた細胞死が起こります。
その作用を受けて、毛球部分は急速に萎縮し始めます。今まで深く根を張っていた毛根が、徐々に皮膚の浅い部分へと押し上げられていくような動きを見せます。
退行期に見られる具体的な変化リスト
- 毛母細胞の分裂が完全に停止し、髪の伸長が止まる
- 毛乳頭と毛母細胞の結合が離れ、栄養供給のルートが遮断される
- 毛包全体が収縮し、長さが成長期の数分の一まで短くなる
- 毛根の形状が丸い球状から、こん棒のような形(こん棒毛)へと変化する
- 髪を引っ張る力が弱まり、ブラッシングなどの軽い刺激で抜けやすくなる
色素生成の停止
髪の黒い色を作っているメラノサイト(色素細胞)も、この時期に活動を停止します。そのため、退行期の最後に作られた毛根の根元部分は、色が薄かったり白っぽくなっていたりすることがあります。
これは自然な現象であり、必ずしも白髪の前兆というわけではありません。
次のサイクルへの橋渡し
退行期は単なる「終わりの始まり」ではなく、次の新しい髪を生み出すためのリセット期間としての意味も持ちます。
毛包が縮小することで、古い髪を皮膚の外へ押し出す準備をすると同時に、毛乳頭は次の成長期に備えて一度休息に入ります。このスムーズな移行があってこそ、健康なヘアサイクルが維持されます。
休止期(テロゲン):脱毛と新生への準備期間
休止期は古い髪が自然に抜け落ち、毛穴の奥で次の新しい命が目覚めを待つための重要な待機期間です。退行期を経て、毛根の活動が完全に停止した状態が「休止期」です。この期間は通常3ヶ月から4ヶ月ほど続きます。
頭髪全体の約10パーセントから15パーセントがこの状態にあります。休止期にある髪は、頭皮に留まってはいるものの、既に成長は止まっています。
そのため、シャンプーやブラッシングなどのわずかな物理的刺激で簡単に抜け落ちます。
自然脱落のメカニズム
休止期の髪の毛は、毛根が「こん棒」のような形になっているため「こん棒毛」と呼ばれます。毛乳頭からの栄養供給は完全に断たれており、皮膚の浅い部分に留まっているだけの状態です。
この時期に髪が抜けるのは生理現象として正常なことです。1日に50本から100本程度の抜け毛であれば、寿命を迎えた休止期の髪が脱落しているだけなので過度に心配する必要はありません。
正常な抜け毛と注意すべき抜け毛の違い
| 比較項目 | 正常な抜け毛(自然脱落) | 注意が必要な抜け毛(異常脱毛) |
|---|---|---|
| 毛根の形状 | マッチ棒のように丸く膨らんでいる。色は白っぽいことが多い。 | 細く尖っている、またはいびつな形をしている。黒っぽい付着物がある。 |
| 髪の太さ | 他の生えている髪と同じくらいの太さと硬さがある。 | 産毛のように細く、短い。十分に成長しきっていない。 |
| 抜ける量 | 1日50本から100本程度。洗髪時などにまとまって抜ける。 | 1日200本以上など、明らかに急増している。枕に大量に付着する。 |
新しい髪の萌芽
古い髪が抜け落ちるのを待っている間、毛穴の深部では既に次の準備が始まっています。
休止期の後期になると、毛乳頭が再び活動を開始し、バルジ領域と呼ばれる幹細胞の貯蔵庫から新しい細胞が供給されます。
こうして、新しい「毛芽」が形成されます。この新しい毛芽が成長を始めると、古い髪(こん棒毛)は下から押し出されるようにして自然に脱落します。つまり、抜け毛があるということは、その下で新しい命が生まれようとしている証拠でもあるのです。
休止期が長引くリスク
問題となるのは、この休止期が必要以上に長引いてしまうケースです。
新しい髪が生える準備が整わないまま古い髪だけが抜けてしまうと、毛穴が空の状態が長く続き、全体の毛量が減ったように見えてしまいます。
また、加齢や血行不良により、休止期から成長期への移行スイッチが入りにくくなることも、薄毛の原因の一つです。
薄毛(AGA)におけるヘアサイクルの乱れと短縮
男性型脱毛症(AGA)の本質は、成長期が極端に短縮されることで、髪が太く育つ前に抜け落ちてしまうサイクルの異常にあります。
男性の薄毛の悩みにおいて、最も避けて通れないのがAGA(男性型脱毛症)の存在です。
AGAを発症すると、ここまで解説してきた正常なヘアサイクルに劇的な変化が生じます。具体的には、通常であれば2年から6年続くはずの「成長期」が、数ヶ月から1年程度にまで短縮されてしまうのです。これが薄毛の直接的な原因となります。
ミニチュア化現象の進行
成長期が短くなると、髪は十分に太く長く育つ時間を与えられません。毛包自体も十分に大きく成長できず、小さく萎縮してしまいます。
これを毛包の「ミニチュア化」と呼びます。ミニチュア化した毛包から生えてくる髪は、細く短い産毛のような状態(軟毛)にとどまります。
本数自体は減っていないのに、一本一本が細くなり、地肌が透けて見えるようになるのはこのためです。
正常なサイクルとAGAサイクルの比較
| 比較要素 | 正常なヘアサイクル | AGAのヘアサイクル |
|---|---|---|
| 成長期の長さ | 2年〜6年(十分に育つ) | 数ヶ月〜1年(育ちきらない) |
| 髪の質 | 太く、コシのある硬毛 | 細く、柔らかい軟毛 |
| 退行期への移行 | 寿命を全うしてから移行 | 成長途中で強制的に移行 |
DHT(ジヒドロテストステロン)の悪影響
なぜ成長期が短縮してしまうのでしょうか。その主犯格とされるのが、男性ホルモンの一種であるテストステロンが変化してできる「DHT(ジヒドロテストステロン)」です。
DHTが毛乳頭にある受容体と結合すると、脱毛シグナル(TGF-βなどの因子)が出されます。このシグナルは毛母細胞に対して「細胞分裂を止めろ」「退行期へ移行しろ」という命令を下します。
その結果、髪はまだ成長の途中であるにもかかわらず、強制的に成長を止められ、抜け落ちる運命を辿ることになります。
早期発見とサイクルの正常化
一度ミニチュア化してしまった毛包を元の大きさに戻すには、時間がかかります。毛穴が完全に機能を失って皮膚化してしまうと、そこから髪を生やすことは非常に困難になります。
しかし、毛包が存在している限り、ヘアサイクルを正常に戻すことで再び太い髪を育てるチャンスは残されています。
抜け毛の中に、短く細い髪が混ざり始めたら、それはヘアサイクル短縮のサインである可能性が高いため、早めの対策が大切です。
生活習慣がタイムラインに与える影響
日々の食事、睡眠、ストレス管理といった生活習慣は、ヘアサイクルの質と期間を左右する強力な調整因子となります。ヘアサイクルは遺伝やホルモンだけでなく、日々の生活習慣によっても大きく変動します。
不規則な生活は自律神経のバランスを崩し、ホルモン環境や血流に悪影響を与えます。結果として成長期の短縮や休止期の延長を招くことがあるのです。
逆に言えば、生活習慣を見直すことは、正常なタイムラインを取り戻すための土台作りとして非常に有効です。
睡眠と成長ホルモン
「寝る子は育つ」と言いますが、髪も同様です。髪の成長に関わる成長ホルモンは、睡眠中に最も多く分泌されます。
特に、入眠直後の深い眠り(ノンレム睡眠)の時間帯に分泌がピークに達します。慢性的な睡眠不足や質の悪い睡眠は、この成長ホルモンの恩恵を受けられなくなり、毛母細胞の活動低下に直結します。
成長期を長く保つためには、量だけでなく質の高い睡眠を確保することが必要です。
栄養状態と毛髪の原料
髪はケラチンというタンパク質でできています。過度なダイエットや偏った食事により、タンパク質や、その合成を助ける亜鉛、ビタミン類が不足すると、体は生命維持に関わる臓器へ優先的に栄養を送ります。
その結果、髪への栄養供給は後回しにされ、ヘアサイクルが乱れます。栄養不足は休止期から成長期への復帰を遅らせる大きな要因となります。
ヘアサイクルを整えるための生活習慣チェックリスト
- 良質なタンパク質(肉、魚、大豆製品)を毎食意識して摂取する
- 細胞分裂を助ける亜鉛(牡蠣、ナッツ類)を積極的に摂る
- 就寝前のスマートフォンの使用を控え、睡眠の質を高める
- 適度な有酸素運動を取り入れ、全身および頭皮の血行を促進する
- ストレスを溜め込まず、自律神経のバランスを整える時間を設ける
ストレスと血管収縮
強いストレスを感じると、交感神経が優位になり、血管が収縮します。頭皮の毛細血管は非常に細いため、この影響をダイレクトに受けます。血流が悪くなると、いくら栄養を摂取しても毛乳頭まで届きません。
また、ストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂の過剰分泌などを招くことで頭皮環境を悪化させ、正常なヘアサイクルの維持を妨げます。
頭髪と他の体毛のサイクルの違い
頭髪が他の体毛よりも長く伸びるのは、成長期の期間が圧倒的に長いという特異的なヘアサイクルを持っているためです。
人間の体には様々な場所に毛が生えていますが、髪の毛のように長く伸びる毛は他にはありません。眉毛やまつ毛、腕の毛などは、ある程度の長さで成長が止まります。
これは、部位によってヘアサイクルの期間、特に「成長期」の長さが全く異なるためです。この違いを理解することで、なぜ頭髪だけが薄くなりやすいのか、その特殊性が見えてきます。
部位による成長期の比較
頭髪の成長期が2年から6年であるのに対し、例えば眉毛の成長期はわずか1ヶ月から2ヶ月程度しかありません。
そのため、眉毛は数センチ伸びたところですぐに退行期・休止期に入り、抜け落ちて生え変わります。このサイクルが短いため、常に一定の短さを保っているのです。
一方、頭髪は数年間伸び続けることができるため、長髪にすることが可能です。
主な体毛のヘアサイクル比較表
| 部位 | 成長期の期間 | 休止期の期間 |
|---|---|---|
| 頭髪(頭皮) | 2年〜6年 | 3ヶ月〜4ヶ月 |
| あごヒゲ | 4ヶ月〜1年 | 2ヶ月〜3ヶ月 |
| 眉毛・まつ毛 | 1ヶ月〜2ヶ月 | 9ヶ月程度 |
ホルモン感受性の違い
興味深いことに、男性ホルモンは部位によって逆の働きをすることがあります。前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞においては、DHT(ジヒドロテストステロン)は細胞分裂を抑制し、薄毛を引き起こす原因となります。
しかし、ヒゲや胸毛などの体毛においては、逆に成長因子(IGF-1など)の産生を促し、毛を太く濃くする働きをします。
「薄毛の人は体毛が濃い」という俗説があるのは、このように同じホルモンに対して、頭髪と体毛で反応が真逆になるという生物学的な仕組みがあるためです。
頭髪の脆弱性
このように比較すると、頭髪は「成長期が非常に長い」という特徴を持つ反面、その期間が長いために、外部環境や内部環境の変化による影響を受ける期間も長いと言えます。
また、ホルモンの影響で成長が阻害されやすい部位でもあります。他の体毛とは異なる、このデリケートな性質を理解し、頭皮に特化したケアを行うことが大切です。
Q&A
- 白髪を抜くとヘアサイクルに悪影響がありますか?
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無理に髪を抜くと毛根が傷つき、毛包内部に炎症を起こす可能性があります。これが繰り返されると毛母細胞がダメージを受け、ヘアサイクルが乱れます。
最悪の場合はその毛穴から髪が生えてこなくなったりするリスクがあります。白髪が気になる場合は、抜くのではなく根元からカットするか、染める方法を選択することが大切です。
- 季節によって抜け毛の量は変わりますか?
-
動物の換毛期ほど明確ではありませんが、人間にも季節による抜け毛の変動はあります。特に秋(9月から11月頃)は、夏の紫外線のダメージや体力の消耗が影響し、一時的に休止期へ移行する髪が増える傾向にあります。
この時期に抜け毛が増えても、季節的な要因であれば一時的なものであることが多いため、過度に心配せず頭皮ケアを継続することが重要です。
- 一度短縮したヘアサイクルは元に戻せますか?
-
毛包が完全に消失していない限り、適切な対策を行うことでヘアサイクルを正常化できる可能性はあります。
生活習慣の改善、頭皮環境の整備、そして必要に応じた専門的なケアを組み合わせることで、成長期を延ばし、髪を太く育てる環境を整えることは可能です。
諦めずに早めに行動を開始することが、改善への近道となります。
- 毛根に白い塊がついているのは異常ですか?
-
抜け落ちた髪の根元についている半透明や白い塊は「毛根鞘(もうこんしょう)」と呼ばれる組織の一部であることが多く、これは髪を頭皮に固定していた接着剤のようなものです。
これ自体は異常ではありません。ただし、この塊がベタベタしていたり、形がいびつで細長かったりする場合は注意が必要です。
頭皮の脂漏トラブルやヘアサイクルの乱れを示唆している可能性があるため、頭皮の状態を確認することをお勧めします。
- 年齢とともにヘアサイクルは変化しますか?
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加齢に伴い、体の代謝機能が落ちるのと同様に、毛母細胞の活動も徐々に緩やかになります。一般的には、年齢とともに成長期の期間が少しずつ短くなり、休止期が長くなる傾向があります。
また、髪の成長速度も遅くなり、髪質も細くなることが自然な老化現象として起こります。しかし、急激な変化は加齢だけが原因ではないことが多いため、変化のスピードに注意を払うことが大切です。
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